
suzunonehari
11月セミナー、いろいろ
更新日:2020年12月8日
11月も学びの多い1ヶ月となりました。
・国際美容鍼灸学会(10月開催、アーカイブ受講)
美容鍼灸の技術的なセミナーかなと思っておりましたが、
鍼灸師にとって必要な顔面解剖学、美容皮膚科学を学ぶ、という案内通りにとてもアカデミックで興味深い内容でした。
特に興味深かったのが、シンポジウム「インフォデミックを考える」
某アイドルグループリーダーと同じ名前の島根大学の大野智先生。
インフォデミックとは、インフォメーション(情報)とエピデミック(流行)を合わせた言葉で、根拠のない情報が大量に拡散されてしまう状況のこと。
WHOのテドロス事務局長もウィルスだけでなくネット上の嘘とも戦うと発言したように、
今回のコロナウィルスのことだけでなく、震災のときや、また「〇〇にはこれが効く」と言った治療法に関してもよく見られます。
情報はなぜ正しいのかという根拠が必要ですよね。
治療法にも、なぜ効果があるのかという科学的根拠が必要です。
しかし「科学的根拠」と言っても、科学的根拠を証明する研究デザインが様々あり、その研究デザインによって正確さ、偏りがあります。
一概に科学的根拠があると言ったからと言ってそれが正確とは限らない。
またなにより注意しないといけないのは「医療は不確実性」が前提にあるというのを念頭に置くということ。
どういうことかというと、例え正確性が高い方法で研究を行い、この治療効果が高いと解釈されたからと言って、効果が全員に効くという100パーセントの治療法はないということ!そして反対に全く効かない治療法もないということ。
これが医療は不確実性の元にあるということであり、ほとんどの医療行為はグレーゾーンのなかにあるということ。
考えてみると医療に限らず当たり前のことなんですが、このことを頭に起きつつ、情報を見て判断していかないといけないなと思いました。
私だけでなく、ついつい人は「絶対」「確実」を求めてしまいますが、絶対や確実はないということを踏まえていかないとという学びになりました。
また人に情報の認知を歪めてしまうものとして
・経験談(クチコミ)
・権威者の発言(ハーバード教授が認めた的な・・・)
・集団心理(ネットで話題)
・数字のトリック
をあげられておりました。
私も少なからず、このようなブログを書いたり、SNSで投稿したりということをしておりますので、くれぐれも情報の取り扱いには注意し、インフォデミックに加担はしないように気を引き締めようと思いました。
・11月15日埼玉県鍼灸師会学術講習会「女性目線の鍼灸」
「女性目線の鍼灸」というタイトルで講師の先生は女性鍼灸師の先生3名にお話いただきました。
講師の先生が「タイトルが女性目線の、とあるけれど特に女性だからと言って何か話すことがあるかと言われるとそういうわけではないので一度お断りした」とお話しされていましたが、確かに私も同じ依頼を受けたとしてもそう思うなと思いました(^^;
でもお話を聞いて、どの先生方もお話の内容が丁寧で具体的でわかりやすく、聞いていてイメージがしやすく、とても勉強になり、改めて「言語化の大切さ」を実感しました。
どう治療をしていくのか、ということ。
どのように治療をしていくのか説明をすること。
どのように鍼を刺すのか、ということ。(痛くない鍼の刺しかたの説明がとてもわかりやすかった!)
講習会の趣旨とは違うかもしれませんが、そんな気付きを得たセミナーとなりました。
あっという間に今年も最後の月となりましたね。
12月も学びの多い月となりそうです。
よこやま